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カテゴリ:シネマ( 1 )


2005年 12月 24日

『Land of Plenty』/ 監督 ヴィム・ヴェンダース

d0090805_23325757.jpg日本公開がずっと待ち遠しかった、ヴィム・ヴェンダース監督の『Land of Plenty』を11月末の公開初日に観て来ました。日本の公開ってやはり遅い、2004年の作品なのになぁ。

敬愛なるヴィム・ヴェンダース監督!私はすっかり信奉者です。私のドイツ好きも、ヴェンダースの影響から始まっています。それからというもの、国旗を見かけるたびに心は反応し、ドイツ語の響きを耳にするたびときめき、ドイツ語の綴りもいとおしく(記号がこれまた良い)。はたまたドイツのメーカーの文房具や画材を使っては、使いやすさやクオリティの高さにドイツ人気質を見出しつつ(なんちゃって)。恋は盲目、といったふうか。

ヴェンダースは、いつでも街の隅っこ(にたたずむ弱き者)を描くのがうまく、そしてそのまなざしがとても優しい。慈しみの、というか。その点では、北野武の作品のいくつかにもうかがえる。『キッズ・リターン』や『菊次郎の夏』での、カメラを通したあの視線はとんでもなく優しいと思う。
今回のこの作品、同時多発テロ後のアメリカを舞台に物語が描かれる『Land of Plenty』も、登場人物たちはいろんな背景と傷を負っている-----同時多発テロとベトナム戦争のトラウマと亡霊にとらわれ続ける伯父と、パレスチナ紛争を目の当たりにして育ってきた姪、アメリカの貧困層、など-----。そんな彼らを、ヴェンダースは明るく希望ある方向へ向けさせる。そのぶん、ヴェンダースの作品には今まで見られなかったくらい、この映画にはストレートなメッセージが込められていると思った。
最近知ったのだけど、ヴェンダースは映画監督として初めて神学の名誉博士号をスイスの大学から授与されるほど神学への造詣が深い、のだそうで、あぁあのまなざしはそこから来てるのかもなぁ、と思った。

ヴィム・ヴェンダース作品との出会いは、高校卒業後から通いだした・今は無き大阪梅田の大毎地下劇場で、でした。ここは名監督の特集を定期的に組んでいて、千円足らずで名作を二本立てで観れたのです。レオス・カラックスやゴダール、デヴィッド・リンチにホドロフスキー、ピーター・グリーナウェイ、リュック・ベッソン、寺山修司、などなどもここで鑑賞したものです。ほんと通いがいのある映画館でした。
そこで、初めて『ベルリン・天使の詩』を観てガツンと来たのです。
物語もさることながら、モノクロで映し出されるドイツ統一前のベルリンの曇り空や重厚な空気になんともたまらず惹かれ、それから十年以上経ってやっとベルリンにも行った。あこがれみたいなものがずっとあって。
東西が統一されて年月が経ち、ベルリンはドイツの首都となり、都市の大開発が進められて、私が行った2000年にはすでに建築物博覧会のごとく近未来的な風景が繰り広げられていたけれど、街のはしばしには旧東ドイツの名残りがまだまだあった。時代がバトンタッチするような、街全体が大きく動いてる感じがして、無性にわくわく来て好奇心をあおられっぱなしでした。
うーん、ベルリン行きたい!←来年行く予定ですが、いつでも飛びたい!

そうだ、みんな、メリークリスマス!よい週末をね。

『Land of Plenty』ホームページ
http://www.landofplenty.jp/

ヴィム・ヴェンダース Unofficial fansite
http://www.wim-wenders.net/
   
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by norichofu | 2005-12-24 00:00 | シネマ | Trackback | Comments(0)